今の健康状態と保険:見直しが必要か判断する考え方
今の健康状態は、保険を見直すきっかけになる
40代になり、健康診断の結果で体の変化を感じたり、ちょっとした体調の変化が気になったりする方もいらっしゃるかもしれません。このような健康状態の変化は、現在の保険契約について考える一つのきっかけとなります。これまで特に意識してこなかった保険について、「このままで大丈夫だろうか」「何か見直すべきことがあるだろうか」と、漠然とした不安を感じることもあるでしょう。
保険は、将来起こりうる万が一のリスクに備えるためのものです。そして、その「リスク」の中には、病気やケガによって医療費がかかることや、働けなくなることなども含まれます。ご自身の健康状態が変化した場合、それらのリスクへの備え方について、改めて確認してみることは大切なことです。
この記事では、健康状態の変化と保険契約との関連性、そしてご自身の現在の健康状態を踏まえて、保険を見直すべきかどうかを判断するための考え方やチェックポイントについて解説します。特定の保険商品を推奨するものではなく、あくまでご自身で判断するための材料としてご活用ください。
健康状態の変化が保険契約に与える影響
ご自身の健康状態が変わることは、保険契約に様々な影響を与える可能性があります。主に以下の二つの側面が考えられます。
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既存の保険契約への影響:
- 給付金・保険金の請求: 加入している医療保険や生命保険で、診断された病気やケガが保障の対象となるか、契約期間内であるかなどを確認することになります。
- 契約の継続・更新: 特に定期タイプの保険では、更新時に健康状態の告知が必要となる場合があります。健康状態によっては、保険料が上がったり、保障内容が変わったり、場合によっては更新できなかったりすることもあります。
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新規の保険加入や乗り換えへの影響:
- 加入の可否と条件: 健康状態によっては、新しい保険に加入できなかったり、特定の病気や部位については一定期間保障の対象外となる「部位不担保」などの条件が付いたり、保険料が割増しになったりすることがあります。保険は基本的に、加入時点の健康状態に基づいて引き受けの可否や条件が判断されるため、健康状態が悪化してから新しい保険に加入することは難しくなるのが一般的です。
このように、健康状態の変化は、現在の保険契約を継続する上でも、将来的に新たな保険を検討する上でも、重要な要素となります。
どのような健康状態の変化で見直しを検討すべきか
どのような健康状態の変化があったときに、保険の見直しを検討する一つの目安となるでしょうか。例えば、以下のような状況が考えられます。
- 特定の病気やケガで医師の診察を受け、治療や経過観察が必要と診断された
- 健康診断や人間ドックで、再検査や精密検査を勧められた
- 過去にかかった病気が再発したり、持病が悪化したりした
- これまで抱えていた持病が完治したり、経過が安定したりした
もちろん、これらの変化があれば必ず保険を見直さなければならない、というわけではありません。しかし、ご自身の体に変化があった際は、「加入している保険は、この状況に対応できる内容になっているか」「将来、医療費や生活費についてどのような心配があるか」などを考える良い機会と捉えることができます。
健康状態を踏まえた保険見直しの考え方・判断基準
ご自身の健康状態の変化を踏まえて、現在の保険契約を見直すべきか判断するための考え方やチェックポイントを整理してみましょう。
チェックポイント
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現在の健康状態は、新たな保険に加入する際にどのような影響があるか?
- もし今の保険を見直して新しい保険に入り直すことを検討する場合、ご自身の健康状態が新規加入の可否や条件にどう影響するかを把握することが出発点になります。一般的に、病気の治療中であったり、直近で入院・手術を受けていたりすると、新規加入は難しくなります。健康状態が比較的安定している場合は、加入できる可能性はありますが、条件が付くこともあります。
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現在の保険契約は、今の健康状態で診断された病気・ケガに対して保障を提供するか?
- 加入時期、責任開始日(保険の保障が開始する日)、告知義務の内容などを確認し、現在の病気やケガが保険金・給付金の支払い対象となるかを契約内容に基づいて確認します。過去の告知内容と現在の健康状態に食い違いがないかも重要です。
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現在の保険契約を継続する場合、将来の更新時の条件はどうなるか?
- 定期タイプの保険の場合、契約更新時に再度健康状態の告知が必要になることがあります。その際の保険料の変動や、保障内容の見直しなどがどのように行われるか、契約内容を確認しておきます。健康状態によっては、更新後の保険料が大幅に上がる可能性もあります。
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健康状態の変化によって、公的医療保険制度や自己資金だけでは不足が生じるか?
- 日本の公的医療保険制度には、高額療養費制度など、医療費の自己負担に上限を設ける仕組みがあります。ご自身の収入や年齢に応じた自己負担の上限額を確認し、実際に病気になった場合の医療費負担が、公的制度でカバーされる範囲を超えるか、貯蓄で対応できるかなどを試算してみます。
- 病気によって仕事ができなくなった場合の所得補償(傷病手当金など)についても、会社の福利厚生や公的制度の内容を確認し、自己資金でどこまで対応できるかを考えます。
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今後、より条件の良い保険に加入できる可能性はあるか?
- もし現在の健康状態が一時的なもので、将来的に回復が見込める場合や、過去の病歴から時間が経過して保険会社の引受基準が緩和される可能性がある場合は、焦って見直さず、健康状態が安定するのを待ってから検討するという選択肢もあります。
これらのチェックポイントを通して、ご自身の健康状態が現在の保険契約にどう影響し、将来どのような備えが必要かを具体的に考えることができます。
総合的な視点で見直しの判断を
健康状態は保険を見直す上で非常に重要な要素の一つですが、これだけで判断するのではなく、他の要素と総合的に考慮することが賢明です。ご自身の貯蓄額、家族構成、将来のライフプラン、公的制度による保障、会社の福利厚生など、様々な側面から「もしもの時」に必要となるであろう資金を検討し、その不足分を保険でどこまでカバーしたいのかを考えます。
現在の健康状態によっては、理想的な保険に新規加入することが難しい場合もあります。その場合は、既存の契約を最大限に活用する方法や、加入可能な範囲で保障を検討するなど、ご自身の状況に応じた現実的な選択肢を考えることになります。
まとめ
ご自身の健康状態の変化は、現在の保険契約を見直す良い機会です。健康状態が保険の継続や新規加入にどう影響するかを理解し、現在の契約内容、公的制度による保障、自己資金などを総合的に考慮して、ご自身にとって本当に必要な備えは何かを判断することが大切です。
この記事でご紹介した考え方やチェックポイントが、多忙な日々の中でご自身の保険について考える一助となれば幸いです。